「保育士は給与が低い」というイメージをもっていませんか?

メディアでは保育士の待遇の悪さなど、ネガティブな面が取り上げられがちです。

しかし、近年は処遇改善が実施され、保育士の年収は上がっています。

本記事では、属性別の保育士の平均年収データや、年収を上げる方法について解説します。

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保育士の平均年収は396万円

保育士の平均年収は約396万円です。

内訳平均月収賞与など特別給付額
金額27.1万円71.2万円

手取り額は支給額の約80%なので、実際に振り込まれる額は月平均26万円程度であり、ここには通勤にかかる定期代や家賃手当も含まれます。

また、賞与や特別給付については、保育園(保育所)によって支給額や規定が異なります。

ただし、こちらで紹介した手取り額はあくまでも平均です。年齢や地域によって給与額は異なるため、注意しましょう。

次は、属性ごとに保育士の年収を詳しく紹介します。

【属性別】保育士の平均年収5パターン

ここからは保育士の年収を、属性別に5パターン紹介します。

①:【年齢別】保育士の年収

年齢別の保育士の平均年収は以下の通りです。

年齢平均年収
20代約340万円
30代約390万円
40代約420万円
50代約440万円

保育士は、現場経験の年数やスキルの積み重ねが評価される仕事のため、年収は年齢とともに上がります。

だからといって「年功序列なら、若いうちは給料アップが期待できそうにない」と落ち込む必要はありません。

保育園(保育所)や園長の方針によっては、保育スキルや現場での立ち振る舞い、仕事に対する姿勢といった部分を平等に評価し、年次関係なく給与に反映させている園もあります。

なかには20代で能力が認められ、管理職となり年収がアップした保育士もいます。

そのため、「年齢関係なく本人の頑張りや成果もきちんと反映してほしい」「給与、昇進などの待遇面はとくに重視したい」という場合は、事前に条件や園の方針をしっかり確認するとよいでしょう。

②:【地域別】保育士の年収

地域別の保育士の平均年収は以下の通りです。

都道府県平均年収
北海道約359万円
東京都約452万円
大阪府約427万円
京都府約452万円
岡山県約350万円
福岡県約390万円

保育士の年収は、地域によって差があり、総じて地方よりも都市部の保育士の方が年収が高い傾向です。

地域によって保育士の待遇が違うのは、自治体の税収入や助成金に差があることが要因です。

つまり、「人口が多く、税収入が潤沢な都市部は、保育士の給与水準も高い」ということです。

だからといって「地方にいる限り、保育士の年収は上がらないの?」と悲観する必要はありません。

地方でも共働き家庭が多く、待機児童問題が叫ばれている地域では、「平均よりも多く給与を払っても、保育士を確保したい」という自治体のねらいで、独自の助成制度を設けており、給与が高い傾向にあります。

ただし「給与が高い=保育士の待遇が良い」とは限りません。給与面以外の雇用条件などもきちんと確認した上で、希望の園を見つけましょう。

③:【勤続年数別】保育士の年収

勤続年数別の保育士の平均年収は以下の通りです。

勤続年数平均年収
0年約300万円
1〜4年約345万円
5〜9年約370万円
10〜14年約390万円
15年以上約460万円

保育士は勤続年数に応じて、年収がアップしがちです。

しかし、実際には結婚や出産で離職してブランクができるケースや、「産前と同じようには働けない」と保育士としてのキャリアを諦めてしまうケースもあります。

このような「保育士離れ」の事態を鑑み、国や自治体もさまざまな施策を講じています。

たとえば、厚生労働省では離職した保育士の「再就職支援」として、就職先あっせんや実技研修を実施していますし、自治体によっては特定の研修を受けて、保育士として復帰すると一時金を支給するところもあります。

保育士として長く働きたいと考えるなら、保育士再就職支援や復帰時の助成制度も調べておくと安心でしょう。

④:【勤務形態別】保育士の年収

パート保育士の平均年収は、以下の通りです。

雇用形態正社員パート
平均年収約396万円約148万円

結婚や出産を機に、正社員からパート保育士に働き方を変えたり、よりよい労働環境を求めて転職するケースもあるでしょう。

そのため、自分のライフスタイルの変化に応じて、「扶養内で働く」「契約社員や派遣社員として働く」などの選択肢を検討し、家庭と仕事のバランスがとれる無理のない働き方を選ぶとよいでしょう。

保育士の働き方についてはこちらの記事に詳しくまとめてありますので、ご参照ください。

⑤:【公立・私立園別】保育士の年収

保育園(保育所)には公立と私立があり、保育士の年収にも違いがあります。

勤務先公立園私立園
平均年収約344万円約310万円

公立園は、地方自治体が運営している保育園(保育所)のため、公立園で働く保育士は公務員扱いとなります。

給与は地方自治体の公務員給与規定に基づいて算出され、各種手当も充実しており、定期的な昇給もあります。

そのため、私立園よりもやや高く、安定した収入が期待できます。

ただ、公立園の保育士は地域内の保育園(保育所)間で定期的な人事異動があり、同じ職場に長く勤務できる可能性が低いです。

そのため、環境の変化が苦手であったり、「なるべく同じ場所でずっと働きたい」と思う人は、私立園の方が向いているかもしれません。

一方、私立園は公立園と比べると年収は低いですが、園によって独自の手当やボーナス制度を設けているところもあります。

また、グループ園ではない限り定例の異動はないので、人員の入れ替えが少なく、安定したチームワークで長年仕事ができる点が魅力です。

公立と私立、どちらの保育士になるかは、自分の適性や給与などの待遇の優先度によって決めるとよいでしょう。

保育士の年収アップが見込める2つの理由

保育士の年収アップが見込める理由は2つあります。

それぞれ解説します。

①:保育士の重要性が見直されているから

保育士の年収は、過去数年間で徐々に上昇しています。

年度平均年収
2023年約396万円
2022年約390万円
2021年約380万円
2020年約370万円

今まで保育士の給与が低かった理由は、「保育士の重要性がきちんと理解されていなかった」からです。

近年、保育士の給与は年々よくなり、2020年から2023年の3年間で約26万円も上がっています。

社会情勢としても、核家族化の加速、共働き家庭の増加などで、保育士の需要がどんどん高まっているのが現状です。

保育士は、社会や家庭の経済活動を支えるといった面でも重要な役割を果たしています。

そのため、今後は保育士の価値がどんどん見直され、待遇も良くなることが期待されます。

②:国や自治体が処遇改善の取り組みを強化しているから

保育士は「子どもが好き」という気持ちだけでは続けられないほど、気力と体力が必要な仕事です。

しかし、保育士についてよく知らない人からは「家で子どもをみているのと同じだし、そこまで大変ではない」「子どもと遊ぶだけでよいから楽」と誤った認識を持たれているケースがあります。

「一生懸命保育士として働いているのに、周りから評価されない」「他業種の友人と給与が違いすぎて、モチベーションが上がらない」といった理由は、保育士の精神不安や離職につながります。

そこで、国をあげて保育士の給与や労働条件の向上を目指して取り組んでいる施策が「処遇改善」です。

具体例としては、「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」を掲げ、令和4年2月〜9月までの間に「保育士の収入アップに必要な補助金」が全国の保育士に対して交付されています。

補助金額は収入の3%とされており、月額換算すると約9,000円です。つまり、毎月の給与が9000円前後アップするということです。これは嬉しいですよね。

処遇改善は、令和4年10月以降も同水準の維持が決定しているため、保育士の給与水準は上昇が続くといえるでしょう。

保育士が年収を上げる3つの方法

保育士の処遇改善措置により、年収は上昇傾向にありますが、実は保育士の努力次第でさらに年収を上げることも可能です。

保育士が年収を上げる方法は以下の3つです。

それぞれ解説します。

①:語学に関する資格を取得する

保育士は、仕事に関連する資格を取得することで、年収を上げることができます。

たとえば英語が得意な保育士であれば「英検2級」もしくはそれに相当するTOEICスコアなどがあげられます。

「日常会話レベルの英語(その他外国語)が難なく話せる」ことは、英語教育を取り入れている園や、地域柄海外の家庭のお子さんが多数通っている園などでは強みとなり、「特別手当」として5000円程度、月収がアップします。

自分の得意分野や経験を活かして、保育に関連した資格を取得し、確実に年収アップにつなげましょう。

②:年収の高い保育園(保育所)に転職する

「保育士として、とにかく年収を上げたい」という場合は、妥協せずに年収が高い保育園(保育所)を選んで転職することも有効です。

たとえば、より良い待遇を求めて公立園に転職したり、地方から都市部の園に転職したりという方法ですね。

ただ、不自然に年収が高い園などは、雇用形態や就労環境に難があり、転職後の人間関係や自身の健康状態を脅かすリスクになる可能性があるため、注意が必要です。

自分の希望する条件や待遇を明確にし、転職前に園見学や園長との面談をしっかり行って、「年収が高く、環境も良い保育園(保育所)」を見つけましょう。

③:キャリアアップ研修を受ける

保育士は、キャリアアップ研修を受けることで年収を上げられます。

キャリアアップ研修とは、厚生労働省が保育士の質の底上げを目的に実施している施策です。

研修内容は「乳幼児保育」「食育・アレルギー対策」「緊急時安全対応」といった最新の保育情報や専門スキルを学ぶ項目のほか、「メンター研修」や「リーダーシップ研修」など管理職向けの項目もあります。

これらの研修を必要に応じて受講することで、保育士は所定の補助金が受けられます。

たとえば、キャリアアップ研修を受講したのち、クラス内の保育士を統括するリーダー職になると、毎月の給与が5,000~10,000円アップします。

キャリアアップ研修は、各都道府県の研修実施機関に申し込めば誰でも受講できますが、キャリアや本人のスキルによって参加できる研修は違います。

また、受講申請や参加に関する決定権は園長にあるため、気になる研修を見つけたら、まずは園長に相談しましょう。

保育の関連資格や国の制度を活用して、年収アップを目指そう

保育士の年収パターンや年収を上げるための方法について解説しました。

年収を上げるためには、現場経験を積むのはもちろん、資格取得やキャリアアップ研修の受講、助成制度の活用がおすすめです。

東京未来大学では保育士資格と同時に、認定心理士や子ども心理アドバイザーといった資格も取得できるのが魅力です。

必要に応じて学びを深め、プラスアルファの資格を取得することで、保育士としてのたしかなキャリア形成や、年収アップにつなげることができます。

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