「大学や専門学校に行かないと、保育士にはなれない」と思ってませんか?

保育士試験は独学でも受験ができ、合格すれば保育士として働けます。

しかし、保育士試験は出題範囲が広く、筆記試験に加えて実技試験もあるため、試験対策を綿密に練る必要があります。

本記事では、保育士試験の概要や勉強方法のコツ、独学以外の学び方について解説します。

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保育士試験の合格率は20%

保育士試験とは、保育士資格を取得するための国家試験であり、毎年の試験合格率は20%前後です。

保育士試験は全9科目の筆記試験と実技試験があり、基本的には全科目の受験が必須で、合格ラインは「すべての科目で6割以上得点があること」と定められています。

ただ、1回の受験ですべての科目の合格を目指す必要はありません。
保育士試験には、「合格した科目は合格した年を含めて3年間、試験が免除される」というシステムがあります。

つまり「9科目中7科目は合格ラインだったけれど、残り2科目の点数が足りず不合格だった」という場合は、3年以内に残り2科目だけ集中して勉強し、合格ラインを満たすことで、無事に合格できます。

独学で保育士試験に合格するには、数ある専門知識を効率よく学ぶことはもちろん、「たとえ数年かかっても絶対合格する」といった根気強さが不可欠です。

保育士試験の概要5つ

2024年保育士試験の概要は、以下5つの項目に分けられます。

それぞれ解説します。

①:日程

保育士試験の日程は毎年、下記の時期に予定が組まれています。

筆記試験実技試験
前期4月上旬6月下旬から7月上旬
後期10月中旬12月上旬から中旬

筆記試験は、全9科目あり、1日目に4科目、2日目に5科目を受験する形で2日間にわたって行われ、筆記試験合格者は、約2ヶ月後に実施される実技試験を受ける流れです。

②:受験資格

保育士試験の受験資格は、学歴や勤務経験によって異なります。

たとえば大学や短期大学を卒業している人は、保育や教育学部出身でなくても保育士試験を受験できます。

また、最終学歴が高等学校の場合、平成3年3月31日以前の卒業なら学部問わず、それ以降の場合は、保育科を卒業していれば受験資格があるとみなされます。

ただ、「保育系の高校を出ていないけれど、保育士になりたい」というケースもあるでしょう。
その場合は、保育や福祉施設で2年以上、かつ2880時間以上の勤務経験があれば受験可能です。

自身の学歴や現状に合わせて、必要な受験資格は事前にしっかりと確認しておきましょう。

③:申し込み期間

保育士試験の申し込み開始時期は、試験の約5ヶ月前です。

たとえば、前期試験が6月にある場合、1月上旬に受付を開始し、そこから1月末あたりまでの20日間程度が申込期間となります。

ただ、「20日もあるなら急がなくても大丈夫そう」と、ギリギリに申し込みをするのはよくありません。

保育士試験の申し込みには、大学や役所から取り寄せる書類が必要なケースもあり、万が一期限ギリギリに不備や不足に気付くと、締め切りに間に合わないリスクがあります。

合格に向けて積み重ねてきた努力を無駄にしないためにも、申し込みが始まったら、なるべく早く対応しましょう。

④:申し込み方法

保育士試験の申し込みは、オンラインと郵送の2通りの申請方法があります。

オンラインの場合は、スマートフォンやパソコンから個人情報の記入や顔写真のアップロードをすることで申請が完了します。

郵送申請では、まず受験申請書を取り寄せ、書類の記入や証明書関連などを同封した上で、保育士試験事務センター宛に郵送し、受理されることで申請が完了します。

オンライン申請の方が手軽ではありますが、とくに優劣はないため、好きな方法で申し込みをしましょう。

⑤:合格発表

例年、保育士試験の合格発表は、筆記試験は受験日から約1ヶ月半後、実技試験は約1ヶ月後に行われます。

たとえば、筆記試験が4月中旬にあった場合は6月上旬に、実技試験が6月下旬にあった場合は7月下旬に合格発表が行われます。

【筆記試験編】保育士試験の内容

保育士の筆記試験の出題範囲は全部で9科目あり、問題数や配点は科目ごとに異なります。

出題範囲の科目と問題数の内訳は以下の表のとおりです。

出題科目問題数配点
1日目保育原理20100点
教育原理1050点
社会的養護1050点
子ども家庭福祉20100点
2日目社会福祉20100点
保育の心理学20100点
子どもの保健20100点
子どもの食と栄養20100点
保育実習理論20100点

全科目マークシートで、5つの選択肢から答えを1つ選ぶ方式です。

科目数が多いため、試験は2日にわたって行われます。
体調管理はもちろん、日程ごとの科目の把握など、漏れのないように気を付けることが大切です。

また、筆記試験の試験時間は、教育原理・社会的養護が30分、他の科目は各60分で、教室には試験開始の10分前から入室可能です。

いざ教室に入ると、雰囲気に圧倒されたり、緊張したりしてしまうものです。

気持ちを落ち着かせてから試験に臨むためにも、ゆとりをもって行動しましょう。

【実技試験編】保育士試験の内容

実技試験は、以下の3つの分野から2つを選んで受験します。

それぞれ解説します。

①:音楽

音楽では、ピアノかギターを使い、課題曲となる童謡2曲を弾き歌います。

音楽の試験で注目されるのは、「歌や伴奏のスキルがあるか」「表情や声のトーンなど、豊かな表現ができるかどうか」です。

そのため、演奏技術はもちろんですが、優しい歌声や目線の配り方、曲の雰囲気に合った表情を意識すると、合格しやすくなるでしょう。

②:造形

造形では、試験当日に提示される保育の一場面を絵画で表現します。

保育の一場面というのは、たとえば「園庭で遊ぶ子どもたちと、それを見守る保育士」といった内容です。

造形に使用できるのは、鉛筆、色鉛筆、消しゴムのみで、試験官は「保育場面をイメージした人物の描写や色使いができるかどうか」に注目しています。

そのため、「絵から楽しそうなイメージが伝わるか」や、「遠近感など、構図に違和感がないか」を意識することで、合格しやすくなるでしょう。

③:言語

言語では、「3歳児クラスで3分間、子どもの興味関心を惹きつけること」を想定し、読み聞かせをします。

言語分野は、2019年〜2024年まで同じ課題が出題されており、以下の4つの素材から1つを選ぶ形式です。

  • ももたろう
  • 3びきのこぶた
  • おおきなかぶ
  • 3びきやぎのがらがらどん

言語の試験で注目されるのは、「適切な声の出し方や表現ができているか」「子どもの年齢や発達に合わせた話し方ができているか」という点です。

そのため、絵本ではなく子どもに視線を送ったり、シーンによって表情や声色をややオーバーに変えたりして、子どもに伝わりやすい表現を意識するとよいでしょう。

保育士試験に合格するための3つのコツ

保育士試験に合格するためのコツは以下の3つです。

それぞれ解説します。

①:勉強が捗る参考書を選ぶ

保育士試験に独学で合格するためには、最新版や図表があるものを選びましょう。

保育士試験は児童福祉法や保育所保育指針から出題される科目もあるため、法改正による内容変更に対応していない古い参考書では、対策として不十分です。

また、実習理論や子どもの栄養、保健といった専門知識を学ぶ場合、解説に図表が使われているものだと、視覚的に分かりやすく、スムーズに習得できるのでおすすめです。

②:勉強のスケジュールは計画的に立てる

独学で保育士試験を受ける場合は、勉強のスケジュールをとにかく計画的に立てることが重要です。

保育士試験は、試験科目や出題範囲が広く、覚える内容が膨大です。

そのため、計画的に勉強のスケジュールを立てないと、1人で勉強することに限界を感じて、受験を諦める要因になってしまいます。

勉強を開始したタイミングから、試験当日までどれくらいの期間があるかにもよりますが、効率的な勉強スケジュールは以下です。

  • 参考書や資料を読み、各分野の学びを深める
  • ある程度知識を覚えられたら過去問を解く
  • 苦手分野や、間違えやすい問題がある場合は、重点的に復習する
  • 過去問で高得点が取れるようになったら、web公開されている模擬試験に挑戦する
  • 最後の仕上げとして総復習と、筆記試験に受かった場合に備えた実技試験の対策をする

このように段階を経て、学びと実践を繰り返し、自信をもって試験に臨みましょう。

③:実技試験対策は第三者に協力してもらう

実技試験対策は、家族や友人といった第三者に協力してもらうのがおすすめです。

実技の練習を第三者にみてもらうことで、「もう少し視線を上にした方がよい」とか「早口になっているから、ゆっくり喋ってみて」といった実践的なアドバイスをもらうことができ、自分では気づかないクセや弱点の改善ができます。

また、実技試験は「試験官の前で、どれだけ緊張せずに普段通りの力が出せるか」にかかっています。

試験当日、受験生の目の前にいるのは子どもではなく、合否判定をする大人であるため、緊張で声が小さくなってしまったり、顔がこわばって笑顔が出なかったりするハプニングが想定されます。

練習段階から大人の前で全力で表現や弾き歌いを楽しむ経験を積み、緊張を和らげましょう。

独学以外で保育士になる方法2つ

保育士になるには、独学以外にも2つの方法があります。

独学以外で保育士になる方法

それぞれ解説します。

①:専門学校へ行く

保育士になるには、専門学校へ行くのもよいでしょう。

専門学校は、卒業までの2年間で保育士資格取得を目指します。

そのため、座学はもちろん、実技研修や保育実習が2年間のカリキュラムの中にぎゅっと凝縮されて組まれており、実践的なスキルを優先して身に着けられる点が魅力です。

また、国家試験対策の授業や学生サポートも充実しているため、苦手分野の克服や実技対策も万全にした上で合格を目指せます。

「実践的なスキルを身に着けて、早く保育士として現場で働きたい」という場合は、専門学校へ行きましょう。

②:大学へ行く

社会人としてのマナーや教養をきちんと身に着けた上で保育士になりたければ、大学へ行くのがおすすめです。
進路としては、教育学部や幼児教育学科、こども心理学科などが該当します。

大学は、卒業までに4年という年月がかかりますが、保育士になるために必要な心理学や発達学はもちろん、社会福祉学や音楽表現といった子どもにまつわる幅広い知識を基礎からしっかり学べるメリットがあります。

また、厚生労働省認定の指定保育士養成施設に該当する大学に通えば、国家試験を受けなくても、卒業と同時に保育士資格が取得できるというメリットもあります。

「大学で時間をかけて保育の知識やスキルを学び、保育士資格を確実に取得したい」という場合は、大学へ行くのがおすすめです。

大学と専門学校との学びの違いについては、こちらの記事に詳しくまとめてありますので、ご参照ください。

自分に合った学び方で保育士になろう

保育士試験は合格率が約20%と低く難関試験であることから、独学の場合、資格取得に数年を費やすケースもあり、合格できずに挫折する人もいます。

そのため、独学での受験は、勉強のポイントを抑え計画的に行うことが大切です。

また、指定保育士養成施設を利用すると、独学では学びきれなかった保育の専門知識を習得でき、効率的かつ自信を持って就職できるメリットがあります。

東京未来大学では、保育園(保育所)の管理職経験者といった、保育経験豊富な教職員が学生個人の希望や課題に合わせたサポートを行っています。勉強に行き詰まったときや自信を無くしそうになったときでも、気兼ねなく相談できる環境で保育士を目指せます。

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