教員として働くためには教育職員免許状(以下:教員免許)の取得が必要です。
一般的には大学で所定の単位を履修し、教員採用試験に合格するルートが知られています。しかし、社会人が働きながら通学せずに教員免許を取得できる方法もあります。
本記事では、社会人でも教員免許を取得できる方法、「通信制大学」という選択肢、その魅力や選び方について解説します。

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社会人が教員免許を取得できる4つの方法

社会人が免許取得を目指す場合、主に次の4つの方法があります。
①:通信制大学で教員免許の取得を目指す
教員免許は通学制の大学だけではなく、通信制大学でも取得を目指すことが可能です。
幼稚園教諭や小学校教諭、養護教諭、中学校・高等学校の教科ごとの免許など大学のカリキュラムによって取得できる教員免許の種類は異なります。
通信制大学で免許取得までにかかる期間は教育実習や介護等体験などの単位が必要になるため、2~4年間はかかるのが一般的です。
加えて、大学への入学方法によっても取得までにかかる期間は変動します。
社会人が通信制大学に入学する場合、正科生と科目履修生の2つの入学方法があり、それぞれの条件は以下の通りです。
| 入学方法 | 概要 |
|---|---|
| 正科生 | ・4年制大学卒業資格の取得を目指す入学方法 ・大学の要件を満たした場合、途中年次からの編入もできる |
| 科目履修生 | ・教員免許の取得にあたり不足している単位を取得するための入学方法 ・現在取得している教員免許とは異なる種類の免許を取得したい場合や、大学などで必要な単位が不足している場合に入学する方法 |
また、通信制大学には一定の単位を直接講義を受けて取得しなければならないスクーリングという受講形式があります。
大学によってはスクーリングをオンデマンド講義で取得できるケースもあるものの、教育実習だけではなくスクーリングの講義がある場合は通学する必要がある点を知っておきましょう。
②:教員資格認定試験を受ける
教員資格認定試験とは文部科学省が「一般社会から学校教育に招致するのにふさわしい人材」を求めて実施しており、高等学校を卒業している人であれば受験できる試験です。
取得できる免許は幼稚園教諭と小学校教諭、高等学校(情報)教諭の二種免許状です。
免許の種類は限られているものの、試験の受験費用は幼稚園教諭が20,000円、小学校教諭と高等学校教諭が25,000円と安価で免許を取得できる点は魅力といえます。
教員資格認定試験は1次試験と2次試験が行われます。具体例として令和6年度小学校教員資格認定試験の概要を見ていきましょう。
| 試験 | 方法 |
|---|---|
| 第1次試験 | ・マークシート方式 ・論述式 |
| 第2次試験 | ・学習指導案作成 ・模擬授業 ・口頭試問 など |
試験では以下のような内容が問われます。
- 教職専門科目に関する内容
- 小学校の各科目の指導法や基礎的な教科内容
- 教職への理解や意欲、児童理解、指導力などを問う内容
令和6年度の合格率は、幼稚園教員資格認定試験が12.5%、小学校教員資格認定試験が24.0%、高等学校(情報)教員資格認定試験が63.5%でした。
参照:NITS 独立行政法人 教職員支援機構「教員資格認定試験過去の実施結果」
③:大学の教職特別課程で教員免許の取得を目指す
教職特別課程とは、大学に1年間フルタイムで通学し、教員免許の取得に必要な単位を全て履修できる課程を指します。
取得できる免許は中学校教諭、高等学校教諭、特別支援学校教諭の3種類です。
文部科学省の資料によると、2019年現在教職特別課程を置く大学は以下の通りです。
- 慶應義塾大学
- 工学院大学
- 岡山理科大学
- 琉球大学
ただし、入学の前提条件として、教科に関する科目を20単位以上修得している者に限られます。
④:臨時免許状・特別免許状の取得を目指す
臨時免許状と特別免許状の取得を目指す方法もあります。
臨時免許状とは、教員免許状を所有する教員を確保できないなどの特別な事情がある場合に限り、都道府県教育委員会が例外的に授与する「助教諭」の免許状です。
有効期間は3年間で、免許状が授与された都道府県内のみで勤務することができます。
臨時免許状の申請方法は都道府県教育委員会ごとに異なりますが、学校に採用が決まっていることを前提としていることが多いため、勤務先が決まる前に個人で申請・授与されることは難しいでしょう。
特別免許状は、優れた知識や経験を有しているものの教員免許状を所持していない人に授与される免許状です。
民間企業での経験や、スポーツ・文化での活動実績、博士課程での研究のような優れた専門性を持つ方に対して都道府県教育委員会が審査を行い授与を行います。
特別免許状の申請にあたっては勤務予定校や任命者からの推薦が必要なため、まずは勤務を希望する学校に相談してみるのが良いでしょう。
社会人が教員免許取得に通信制大学を選ぶメリット

社会人から教員免許取得を目指す場合、通信制大学がおすすめです。なぜならば下記3つのメリットがあるからです。
①:自分のペースで効率的に学習を進められる
通信制大学では通学の必要がなく、自宅からオンラインで講義を受けられるため、仕事や家庭と両立しながら自分のペースで学習を進めることができます。
日中にまとまった時間を取れなくても、空き時間を活用して必要な単位を履修し、教員免許の取得を目指せる点は大きな魅力といえるでしょう。
②:通学制大学と比較すると費用や期間を抑えられる
通学制大学と比較すると、通信制大学は学費を抑えられます。
目指す教員免許や大学、正科生と科目履修生といった入学方法など条件によって学費は変動するものの、一般的な通学課程の大学よりも学費が安価な傾向にあります。
通学制大学と通信制大学の1年間の学費の目安を比較しました。
通学制の国立大学:約53万円
通学制の私立大学:約95万円
通信制大学:10~30万円程度
※2025年6月時点
※国立大学の学費は国立大学法に定められている授業料
※私立大学の学費は2024年度に行われた文部科学省の調査によるもの
学費を抑えて教員免許を取得できる点も通信制大学の魅力です。
また、通信制大学では大学での学習期間も短縮できる可能性があります。
たとえば、中学校での勤務経験を活かし他の教員免許の取得を目指す場合、免許取得に必要な単位だけ履修する科目等履修生という枠で入学する方法です。
科目等履修生は最短6ヵ月で修業できる大学もあります。社会人にとって大学での学習期間を短縮できる点もメリットといえるでしょう。
参照:文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に関わる学生納付金等調査結果について」
参照:e-GOV 法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
③:教員免許の一種免許状を取得できる
社会人が大学に通わずに教員免許状を取得する方法として、「教員資格認定試験」や「臨時免許状」をご紹介しましたが、これらで授与される免許状は二種免許状や助教諭の免許状です。
対して、通信制大学では通学制大学と同様に一種免許状の取得ができる大学もあります。
一種と二種では仕事内容に大きな差はないものの、一種免許状所持者の方が初任給の設定が高い傾向にあります。
また、管理職になるためには一種免許状が必要になるケースもあるため、給与やキャリアパスを重視する場合は一種免許状の取得がおすすめです。
教員免許を取得できる通信制大学の選び方

通信制大学といっても、大学によって取得できる教員免許の種類は異なったり、スクーリングや実習期間などで通学しなければならない期間があったりするため、大学を選ぶ際には十分に確認する必要があります。
社会人が通信制大学を選ぶ際には、特に以下の点に注意しましょう。
①:目指している教員免許を取得できるか
教員免許には様々な種類があります。
例えば、中学教諭の免許には一種免許状、二種免許状、専修免許状の3種類があります。
| 免許の種類 | 概要 |
|---|---|
| 一種免許状 | 大学卒業相当の学歴を有する者に授与される免許状 |
| 二種免許状 | 短期大学卒業相当の学歴を有する者に授与される免許状 |
| 専修免許状 | 大学院修了相当の学歴を有する者に授与される免許状 |
また、担当する教科によっても異なるため、免許の種類は多岐に渡ります。
大学を選ぶ際には、目指している教員免許が取得できるかをチェックしておくことが重要です。
②:スクーリングはどこで受講できるか
通信制大学には、一定の単位を直接受けるスクーリングという受講形式があります。
スクーリングをどこで受講できるかも大学選びの重要なポイントです。
スクーリング会場は「大学のキャンパスのみ」「複数の都市で実施」など大学によって異なります。
スクーリング会場が自宅から離れている場所の場合、交通費や移動時間がかかってしまい、負担が大きくなるでしょう。
しかし、通信制大学の中には、オンデマンド講義が可能なケースやライフスタイルに合わせて柔軟にスケジューリングできるケースもあります。
通学が困難な場合、会場やスケジュールについて柔軟に対応できる大学を選びましょう。
③:教育実習や介護等体験の期間を確認する
教員免許を取得するためには、教育実習や介護等体験の単位が必要です。
教育実習期間は2~4週間、介護等体験は1週間程度です。期間は実習先と調整するため、実習先の都合などにより変動します。
実習に合わせて仕事の休みを確保できるかどうかも確認しておく必要があるでしょう。
大学によっては他校種免許状を取得している場合、条件次第で実習期間の軽減が受けられるパターンもあります。
東京未来大学では、所持する教員免許や実務経験によって実習期間が不要の場合や、2週間程度で教育実習の単位を修得できる場合があります。
各大学の実習条件を確認することで、仕事を休む負担を軽減できる可能性があるため、チェックしておきましょう。
教員免許を取得できる通信制大学

教員免許を取得できる通信制大学は全国各地にあります。
ここでは教員免許を取得できる通信制大学の例として、幼稚園教諭、小学校教諭、特別支援学校教諭、養護教諭の免許を取得できる大学をまとめました。
| 教員免許の種類 | 大学名 |
|---|---|
| 幼稚園教諭 | 【一種・二種取得可能】 日本女子大学、玉川大学、佛教大学、明星大学、創価大学、聖徳大学、東京未来大学、環太平洋大学、星槎大学 【一種のみ】 大阪芸術大学、東京福祉大学、神戸親和大学、姫路大学 【二種のみ】 東京福祉大学短期大学、大阪芸術大学短期大学部、豊岡短期大学、聖徳大学短期大学部、近畿大学九州短期大学、帝京短期大学 |
| 小学校教諭 | 【一種・二種取得可能】 玉川大学、佛教大学、明星大学、創価大学、聖徳大学、星槎大学、東京未来大学、環太平洋大学 【一種のみ】 大阪芸術大学、東京福祉大学、神戸親和大学、姫路大学、武蔵野大学、神戸常磐大学短期大学部 |
| 特別支援学校教諭 | 【一種・二種取得可能】 佛教大学、明星大学、星槎大学、環太平洋大学、放送大学 【一種のみ】 東京福祉大学、神戸親和大学 |
| 養護教諭 | 【一種のみ】 聖徳大学、東京福祉大学、姫路大学、人間総合科学大学 |
中学校と高等学校の教員免許は国語や理科、社会など担当教科ごとに取得します。1つの大学の中でも学部やカリキュラムによって担当教科の免許を取得できるかどうかが分かれます。
中学校と高等学校の担当教科の免許が取得できる通信制大学については、下記の文部科学省の資料をご覧ください。
参照:文部科学省「令和6年4月1日現在の教員免許状を取得できる大学一覧」
働きながら教員免許を取得したい場合、通信制大学の選択肢を検討しよう

本記事では、社会人が教員免許を取得する方法を解説しました。
働きながらであれば、オンラインで講義のほとんどを受講できる通信制大学の選択肢がおすすめです。
ただし、通信制大学によって取得できる教員免許の種類は異なります。取得したい教員免許を目指せるのかを十分に確認しましょう。
東京未来大学通信教育課程の「こども心理学部」では幼稚園教諭一種免許状や小学校教諭一種免許状の取得が目指せるカリキュラムを提供しています。
カリキュラムはニーズや経歴に合わせて、正科生1年次入学、正科生3年次編入学、科目等履修生の3つのスタイルから選択できます。
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