皆さんに質問です。
少年犯罪(非行)は増えていると思いますか、減っていると思いますか。
平成27年度の内閣府の調査(少年非行に関する世論調査)によると、調査に答えた国民の78.6%は「増えている」と認識していました。ところが現実は、「大幅に減少」しています。我が国の少年非行の動向には3つのピークがあったと言われており、最後のピークは昭和58年でした。そこからは減少に転じ、令和2年は昭和58年に比べて約10分の1まで減少しています。
しかし、なぜ多くの国民が少年犯罪(非行)は増えていると認識しているのでしょうか。その背景には動機の解明が難しい不可解な事件が多く発生しており、話題になりやすいことが指摘されています。以前は少年犯罪(非行)に関する報道はほとんどなかったのですが、今は積極的に報道されます。それも成人の犯罪とは異なり、「なぜそれだけのことをきっかけにこんな大きな事件を」という、動機と犯行との釣り合いが取れない事件が続発しています。こうした事態が続く中で、国民の中に必然的に犯罪不安が高まり、少年非行は増えているという認識が持たれています。
かつて少年鑑別所で非行少年の心理分析をする仕事(資質鑑別といいます)に従事していた時、動機の解明が非常に難しいケースに多く出会いました。大人の一般的な価値観からは推測できない動機が多く、少年の言葉に耳を傾けてもなかなか理解ができないという経験を多くしました。そんな時、大切なことは少年の「主観的事実」、つまりその子にとっては何が重要なのかということが、世間一般とは異なっていることが多いということでした。少子化の中で地域における子育ての重要性が一層話題になっています。そこで大切なこと、それはずばり、青少年の「主観的事実」を共有することです。大人の価値観を押し付けるのではなく、今の青少年が何を求めているのかを知ることが重要です。
じっくりと青少年に向き合うこと、本当に大切です。