「モチベーションが上がらない」「部下のやる気が見えない」──そんな声を職場で聞くことはありませんか。
そもそも、モチベーションとは何か。どうすれば高められるのか。これは、部下を動かす立場にある管理職こそ、避けて通れないテーマです。

本記事では、現代における「モチベーションが必要とされる背景」や「向上によるメリット」、そして「管理のポイント」に触れながら、企業の管理職がモチベーション管理を学ぶ方法について解説します。

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モチベーションとは目標に向けて行動するための「動機づけ」である

モチベーションとは、目標に向かって行動するための「意欲」「原動力」「動機づけ」を指します。

モチベーションが高いと、主体的な取り組みや生産性の向上、組織全体の活性化につながるため、特に組織運営においては重要な要素と言えるでしょう。

モチベーションは、「外発的動機」「内発的動機」の2種類に分類できます。

・外発的動機:金銭報酬、昇進、評価など外部から与えられる刺激、目的意識に伴うやる気
・内発的動機:仕事への興味や達成感、自己成長など内面から湧き上がるやる気

組織運営では、この2つの動機づけを活用し、個々の価値観や職場環境に合わせた施策を推進することで、従業員のモチベーションの維持・向上につながります。

結果として、従業員満足度や業務効率、創造性などの向上が期待でき、組織全体としての目標達成力も高まります。

現代においてモチベーション管理が重要視される3つの理由

現代において、従業員のモチベーション管理はこれまで以上に重要になっています。その背景には大きく3つの理由があります。

まず1つ目は、価値観の変化です。
デロイト社の「GenZ&ミレニアル調査」では、Z世代以降の若者は「目的・成長・精神的な幸福」を報酬と同等以上に重視していることが明らかになりました。

これにより、単に「給料を上げる」「福利厚生を整える」といった外発的動機だけでは、モチベーションを高めにくくなっています。

2つ目は、人口構造の変化です。
特に日本では経験豊富なビジネスパーソンの高齢化が進み、限られた人材でどう戦うかが企業の重要課題となっています。人材の定着と育成は、企業の成長を左右する鍵です。

3つ目は、技術進化の加速です。
生成AIなど技術革新によって、求められるスキルが日々変化しています。
その変化に対応しながら企業競争力を持つためには、進化を続ける技術に追いつく社員一人ひとりの高いモチベーションと主体性が重要です。

こうした理由により、これからの時代、企業が競争力を保つには、「人」のやる気と成長を引き出す仕組みが必要不可欠なのです。

従業員エンゲージメントとの違いは「どの方向にエネルギーが向いているか」

組織運営においてモチベーションとよく混同される言葉として「従業員エンゲージメント」という言葉があります。

従業員エンゲージメントが「組織への心理的結びつき」を表すのに対し、モチベーションは「個人のエネルギー」を表すという点が違いです。

たとえば、仕事に対するモチベーションが高かったとしても、その原動力が組織の目標達成ではなく個人の給料アップがゴールであれば、自分本位に動き組織にとってよくない結果をもたらす可能性があります。
モチベーションと従業員エンゲージメントは組織の両輪であり、双方が結びつくと高い生産性を持つ組織が実現されます。

従業員エンゲージメントについては、下記の記事も参考にしてみてください。

モチベーション低下がもたらす組織への影響とは

「モチベーションが低い」と感じる日に、作業の着手までの腰が重くなったり、作業に着手してもあまり集中できなかった経験はありませんか。
1人だけならまだしも、モチベーション低下が連鎖すると、組織全体の生産性が下がるだけではなく離職率にも影響を及ぼします。

たとえば、年収800万円のソフトウェアエンジニアが離職した場合、「採用コスト」「引き継ぎによるプロジェクト遅延」「代替要員がフル稼働するまでの生産性低下」により、年収の1.5〜3倍、すなわち1,200~2,400万円の損失が発生すると言われています。

少子化により人材の価値が上がっている中、離職率を下げることもモチベーション管理の重要な役割と言えるでしょう。
モチベーション低下の要因は「仕事内容」「労働環境」「人間関係」のどれかに起因する場合が多いです。

部下や同僚にモチベーション低下の兆しが見えたら、次の章で紹介するモチベーション管理の3要素を参考に、どの要因が影響しているかを見極めるのが大切です。

管理職が実践すべきモチベーション管理の3要素

モチベーション管理を行うためには、動機の3要素「目的」「価値観」「感情」を整理することが大事です。
ここではそれぞれの基本的な項目と、具体的な対策方法をかんたんにまとめます。

動機の3要素

①:目的(=何を達成するか)
②:価値観(=なぜ達成するか)
③:感情(=どういう気持ちで達成するか)

①:目的(=何を達成するか)

1つ目は「目的」で、何を達成すると評価されるのかを明確にすることです。以下の3点が重要ポイントになります。

・明確な目的:OKRやSMARTで測定できるものにする
・難易度の調節:背伸びすれば届く程度のチャレンジングな設定にする
・フィードバック:ダッシュボードや1on1などで、進捗や達成状況、課題をフィードバックする

向かう方向をできるだけ具体的にイメージしてもらうと「目的」のすり合わせが達成できます。

②:価値観(=なぜ達成するか)

2つ目は「価値観」。すなわち、なぜ目標を達成する必要があるのか、納得感を持たせることです。以下の3点が重要ポイントになります。

・価値観との合致:個人のキャリア観と会社のゴールをつなぐ
・自己効力感:自分の仕事が誰かの役に立っていることを可視化・伝達する
・自律性の尊重:自ら意思決定して動けるよう、意思決定プロセスに参画させる

仕事が自己実現につながっているイメージが明確になることで、「価値観」のすり合わせが達成できます。

③:感情(=どういう気持ちで達成するか)

3つ目は「感情」。すなわち、どんな気持ちで仕事に向き合えるのかという、土台を整えることです。以下の3点が重要ポイントになります。

・ポジティブな雰囲気つくり:小さな成功を讃えるなど、気分良く仕事ができる環境を整える
・心理的安全性の確保:コミュニケーション頻度や業務負荷を調節しながら、過度な不安による抱え込みを回避する
・士気の維持:表情や言動などから常に管理職の情熱がチームに伝わるようにする

理屈ではなく、心が動かされる体験をすることで、「感情」のすり合わせが達成できます。

モチベーション管理を学ぶ4つの方法

モチベーションを上げるための基本的な概論に触れてきましたが、モチベーションが高く、強い組織を作るためにはまだまだ学ぶべき内容があります。

フィナンシャル・タイムズ紙によると、44%の管理職が企業が用意したカリキュラムなどの研修を受けていない、というデータもあるほどです。

以下では、管理職に重要なモチベーション管理を学ぶ4つの方法について、紹介します。

モチベーション管理を学ぶ4つの方法

①:独学
②:OJT
③:社外のコミュニティやマネジメント講座
④:社会人向け通信教育課程

①:独学

コンテンツが手軽に発信できるプラットフォームが増えた背景もあり、近年はYouTubeやポッドキャストなど無料でできるものから、書籍など低コストで手に入るものまで学習教材がたくさんあります。

また、最近は著名人や専門家が無料で登壇するセミナーも、探せば見つかるでしょう。
まずは、こうした独学で基礎的な知識を身につけるのが最初の一歩です。

②:OJT

現在、マネジメントを実際に行う立場であれば、OJT(業務の過程で学ぶ)も学び方の1つです。自分らの気づきに加え、社内の先輩社員やベンチマーク社員からメンタリング・コーチングを受けるのも重要です。

「学ぶは真似ぶ」という言葉もありますが、まずは成果が出ている人に倣い、実践しながら自分のものにしていくサイクルを回すことも成果につなげるための近道です。

③:社外のコミュニティやマネジメント講座

ある程度基礎が身についたら、社外のコミュニティや講座に行ってみるのもよいでしょう。
管理職のスキルアップに特化したコミュニティや、1~2日の単発マネジメント講座を受けることで、自分の見ている世界以上の知識・経験則が手に入ります。

会社によっては自発的に研修を受ける場合の費用を「研修費」として教育や福利厚生枠で補助・支給してくれるケースもあるので、社内ルールを確認してみましょう。

ただし、会社の費用で研修を受ける場合は、「何が得られたか」を会社にしっかり報告することも忘れないようにしましょう。

④:社会人向け通信教育課程

①~③までは比較的コストのかからない方法を挙げましたが、短期間で一気に思考をアップデートするには、ある程度の投資も視野に入れる必要があります。

その中でおすすめなのが、大学が実施している社会人向け通信教育課程です。

通信教育課程はモチベーション向上を自分なりに長年実践してきた管理職人材が、自分のノウハウを整理するために通っているケースもあり、モチベーションマネジメントに関する「理論」「データ分析」「実践」が体系化されている点から、必要な項目をバランスよく学べます。

また、大学が実施しているものであればキャリアとして履歴書に書けるため、一種の権威性の証明にもなります。
全項目をフルコースで学び直したい方にとって、仕事をしながらでも学べる通信教育課程は大きな手助けになるでしょう。

モチベーション管理は通信制大学で体系的に学ぼう

この記事では管理職にモチベーション向上が求められるようになった背景と、その学び方について解説しました。

しかし、本文で触れたことはモチベーション管理のほんの一部です。
たとえば、人によっては「モチベーションを外からコントロールすることは本質的に無理」とし、環境を整えることの重要さを解くなど、学べば学ぶほど奥深さを知っていくでしょう。

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