臨床心理士は、心理学を専攻する学生が目指す有名な資格の1つです。

しかし、「試験前にどのような受験資格を満たせばいい?」「どのように資格更新を行えばいい?」といった疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では臨床心理士になるために必要な受験資格やステップ、資格更新の内容はもちろん、臨床心理士の概要や働く職場、平均年収なども紹介します。

心理学を学ぶなら
東京未来大学へ

東京未来大学は、生徒一人ひとりを複数の教職員で支え、卒業後まで見守るパートナーとなる大学です。就職率も99.7%にのぼります。カリキュラムなどは、大学WEBサイトをご確認ください。

臨床心理士とは「心の専門家」

臨床心理士とは心の問題を抱えている相談者に対し、臨床心理学に基づく知識や技術を用いてアプローチする心の専門家です。

相談者一人ひとりの価値観を尊重しながら自己実現をサポートするために、臨床心理査定や臨床心理面接などの4つの専門業務を行い、それぞれ異なる答えを導き出すことが求められます。

臨床心理士の資格は、試験に合格し認定を受けることで「心理専門職の証」として証明できるものとなります。

臨床心理士と混同される「公認心理師」との違い

臨床心理士とよく混同される資格に、公認心理師があります。

2つの資格の大きな違いは、臨床心理士は民間資格、公認心理師は国家資格という点です。

公認心理師は2017年に施行された公認心理師法で定められた国家資格です。

臨床心理士と公認心理師はどちらも相談者の問題解決に向けて心のサポートを行うため、同様のフィールドに就業する可能性もあります。

仕事内容で大きく違う点は以下の通りです。

  • 臨床心理士:臨床心理の知識や技術を高めるために調査・研究を行う
  • 公認心理師:心の健康に関する知識や情報の発信を行う

公認心理師は心の健康に関する情報を発信し、教育を提供するのも仕事内容に含まれます。

公認心理師について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご確認ください。

臨床心理士になるための3ステップ

臨床心理士になるためには、以下3つのステップを順を追ってクリアする必要があります。

3つのステップ

①:受験資格を取得する

②:資格審査(試験)に合格する

③:臨床心理士の資格認定を受ける

①:受験資格を取得する

臨床心理士になるためには、日本臨床心理士資格認定協会が提示する、いくつかの受験資格のうちいずれかを満たす必要があります。

受験資格の具体例は以下の通りです。

  • 指定大学院(第1種・第2種)を修了し、所定の条件を満たす
  • 臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了する
  • 学校教育法に基づく大学院で臨床心理学または心理臨床に関連する分野を専攻する専門職学位課程を修了する

指定大学院や専門職大学院とは、日本臨床心理士資格認定協会が定めた条件を満たしている大学院です。

全国に第1種指定大学院は146校、第2種指定大学院は8校、専門職大学院は4校あります。

詳しい大学名はこちらをご覧ください。

公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士受験資格に関する指定外学院・専門職大学院一覧」

②:資格審査(試験)に合格する

受験条件を満たした後に、日本臨床心理士資格認定協会が実施する資格審査(試験)に合格する必要があります。

過去5年間の合格率は以下の通りです。

実施年2020年2021年2022年2023年2024年
合格率64.2%65.4%
64.8%
66.5%66.1%

試験は1次試験(筆記)と2次試験(面接)があり、1次試験は1日で2つの試験を行います。

試験の種類試験内容
1次試験(筆記)・多肢選択方式試験
・論文記述試験
2次試験(面接)・口述面接試験

多肢選択方式試験では臨床心理士に求められる基礎的な専門知識が問われます。

加えて、臨床心理士に関わる倫理や法律などの、基礎知識や基本的な態度などの設問も出題されます。

論文記述試験は、心理臨床における1題のテーマについて1,001字以上1,200字以内で記述する試験です。臨床心理士としての考え方を字数制限内で簡潔に記載する力が求められます。

③:臨床心理士の資格認定を受ける

臨床心理士として認められるためには、試験合格後に合格通知を受け取り資格認定証書の交付手続きを行う必要があります。

手続きが完了すると、臨床心理士の資格認定証書と携帯用の身分証明書(資格登録証明書)が発行され、正式に臨床心理士として認められます。

臨床心理士は5年ごとの更新が必要な資格

臨床心理士は社会的な責任を負う高度専門職業人として、臨床実践の経験の長さや量だけではなく、継続的な自己研修によって専門資質の維持・向上を図ることが求められます。

そのため、恒常的な自己点検や評価システムとして資格更新制度が導入されており、5年ごとに資格の更新が必要です。

更新は日本臨床心理士資格認定協会による独自のポイントを15ポイント取得することで更新できる仕組みです。

たとえば、ポイントは以下のような形で付与されます。

  • 臨床心理士研修会に講師として参加する(4ポイント)
  • 心の健康会議に参加する(2ポイント)
  • 研究誌または機関紙への研究論文の発表(10ポイント※原著の場合)

臨床心理士の業務内容と働く現場

臨床心理士になった場合の業務内容や働く現場、年収の詳細をみていきましょう。

臨床心理士の4つの専門業務

臨床心理士は相談者のサポートを行うために、以下4つの専門業務が求められます。

業務名概要
①:臨床心理査定・心理テストや観察面接を行い、相談者の独自性や個別性の特徴や問題点を明確にする業務・相談者に対する望ましいサポート方法を明確にする
②:臨床心理面接・臨床心理士と相談者との人間関係を構築する過程で必要な業務・精神分析や夢分析の様々な臨床心理学的技法などを活用し、相談者の心の支援を行う
③:臨床心理的地域援助・相談者の個人だけではなく、地域住民や学校、職場などのコミュニティに対しても心の健康をサポートする業務・心理的情報の提供や提言を行う
④:上記①~③に関する調査・研究・心のサポートを行う上で、臨床心理の技術的な手法や知識を確実なものにするために、臨床心理的調査や研究活動を実施する業務・心理臨床における様々な問題や課題に特化した事例研究を実施する

臨床心理士の働く現場

臨床心理士は教育現場、医療・保健分野、福祉分野など様々なフィールドで活躍できる職種です。臨床心理士の働く現場の具体例は次の通りです。

分野主な業務内容働く現場の具体例
教育・発達や学業などの問題に対し、心理的なサポートを行う
・相談者は学生や保護者、教師など
・必要に応じて相談者と他の機関をつなぐ役割を果たす
・学校内の相談室
・教育センター
・教育相談機関
医療・保健・心に問題を抱えている人や、病気やケガなどをしている人への心理的サポートを行う
・乳幼児の健康診査や発達相談などにも関わるケースもある
・病院や診療所(精神科、心療内科、小児科など)
・保健所
・精神保健福祉センター
・リハビリステーション
福祉・子どもの心身の発達や非行、女性問題、高齢者の問題など福祉に関する領域に対し、心理的サポートを行う・児童相談所
・療育施設
・心身障害者福祉センター
・障害者作業所
・女性相談センター
司法・矯正・社会的な処遇を判断する際に心理的なテストや調査、矯正に向けた心理面接などを行う・家庭裁判所
・少年鑑別所
・刑務所
・少年院
労働・産業・就業中の仕事に向いているのかという悩みに対し、心理的サポートを行う・企業内相談室
・企業内健康管理センター
・公立職業安定所(ハローワーク)

臨床心理士の平均年収は、日本全体の給与所得者の平均年収とほぼ同額

臨床心理士は「活躍できる分野が幅広い」「非常勤や職場の掛け持ちを選ぶ人もいる」などの理由で年収は個人差が大きい傾向があります。

平均年収の参考として、厚生労働省が公表した「令和5年賃金構造基本統計調査」の「その他の保健医療従事者」の平均年収は約459万円でした。

令和5年の給与所得者全体の平均年収は約461万円です。臨床心理士の年収は、ほぼ平均と同様の年収といえます。

臨床心理士に求められる3つのスキル

臨床心理士になるためには心理学の知識や技術だけではなく、以下のようなスキルが求められます。

必要な3つのスキル

①:相談者の特徴や問題点を読み取る観察力

②:相談者との人間関係を構築するコミュニケーション能力

③:臨床心理士としての責任を支える倫理観

①:相談者の特徴や問題点を読み取る観察力

臨床心理士は臨床心理査定や臨床心理面接など相談者と関わる中で、会話の内容や表情の変化、仕草などを観察し、変化を察知するスキルが必要です。

またその問題点に対し、適切なサポートを考えて実践していくことも求められるでしょう。

②:相談者との人間関係を構築するコミュニケーション力

相談者への心のサポートを行う上では、相談者の話を聞いて、適切なアドバイスをする対応が重要です。

相談者の本音を聞くためには、相談しやすい態度を示したり、相談者の話を理解したりして安心できる人間関係を構築するスキルが必要です。

粘り強くコミュニケーションをとることで、相談者は内面をより深く語れるようになり、相談者に寄り添ったサポートができるようになるでしょう。

③:臨床心理士としての責任を支える倫理観

相談者のプライバシーや相談内容といった個人情報を扱うため、他者に話さない守秘義務が求められます。

また、専門職として自身のできること・できないことを正確に把握し、対応できない問題は医師や他の機関につなげる判断力も求められるでしょう。

間違ったサポートが相談者の状態を悪化させる可能性もあるため、臨床心理士には正しい判断ができる倫理観が必要です。

臨床心理士になるには、指定大学院または通信制大学を目指そう!

本記事では臨床心理士の概要や働く職場、臨床心理士になるためのステップ・方法を解説しました。

臨床心理士の資格を取得するためには、指定大学院で所定の科目を履修後に試験に合格しなければなりません。

また、心理学に関する知識と技術の基礎を身につけるのも重要です。

心理学の基礎を学びながら、将来の進路として臨床心理士を含めた心の専門家を目指したい方には、心理学のカリキュラムに強い東京未来大学がおすすめです。 

東京未来大学は心理学に強みがあり、大学院に入る前に心理学の奥深さを知るのにぴったりのコースが用意されています。

学生だけでなく、社会人に向けたオンラインの通信課程コースもあり、さまざまな方が心理学を勉強しています。

通学と通信の両課程が用意されているため、自分のライフスタイルに合った学び方で心理学の知識と技術を習得できます。

臨床心理士を含む心理職として働きたいと考えている方は、以下のリンクより東京未来大学のWEBサイトをご覧ください。

心理学を学ぶなら
東京未来大学へ

東京未来大学は、生徒一人ひとりを複数の教職員で支え、卒業後まで見守るパートナーとなる大学です。就職率も99.7%にのぼります。カリキュラムなどは、大学WEBサイトをご確認ください。