
みなさんはお菓子が好きですか。お菓子は食べ物の中でも、楽しさがより一層際立っています。おいしいお菓子を食べると幸せな気分になりますね。
巷には多くのお菓子があり、最近ではインスタなどのSNSでも頻繁にアップされています。見るからにおいしそうなお菓子を「かわいい」と感じて喜ぶ場合もありますが、本人が「おいしい」と感じているのを短いキャッチフレーズなどで発信しているものも多くあります。おいしいお菓子を食べると嬉しくなって他の人にそのおいしさを伝えたくなるものです。また、自分でもそのおいしさを留めておきたいと思うこともあります。
ところで、おいしさはどのように表現できるのでしょうか。レシピがあればそのお菓子を表現(再現)することは可能です。でも、お菓子自体を再現することができても、あのおいしさ、心で感じたおいしさ、主観的なおいしさを再現しているのとは少し違います。上記のSNSの例でも写真や動画、絵やイラストの視覚的な情報、時には音楽や音の聴覚的な情報も含めておいしさを伝えることができます。
その中で、心で感じたおいしさの表現を言葉で伝えるのも1つの有効な方法です。言葉でおいしさを表現することは簡単にはいかないですが、少し工夫をして比喩やオノマトペを使って表現することもできます。比喩とはあるものを他の別のものに例える表現の方法です。比喩を使うことにより、お菓子の特徴や性質をより鮮明にイメージ豊かに伝えることができます。食感として表現されることもあり、「クッションのような食感のショートケーキ」「溶けるような食感の落雁」などがその例です。一方、オノマトペとは、音や声を模倣した言葉で、物事の状態や動作を表わすために使われる表現の方法になります。「パリパリ(おせんべい)」「プルプル(ババロア)」「サクサク(パイ・クッキー)」などお菓子にもよく使われます。オノマトペによって幼い子どもたちにもお菓子のおいしさを分かりやすく伝えることができます。このように、お菓子は食べ物なので味覚に関する言葉が中心になりますが、比喩やオノマトペの中には視覚・聴覚・触覚・嗅覚を使った表現が含まれています。まさに五感を活用してお菓子のおいしさを言葉で表現しているのです。
今度は味覚そのものに少し目を向けてみます。味覚の基本は五味と言って、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味が基本味とされています。食べ物全体に言えますが、お菓子の味覚も単一ではなく、もう少し複雑です。苦さについてもほろ苦さなど様々なものがあります。複合された味もあり、甘酸っぱさなどがその例です。これらは味覚だけでなく、気持ちや感情を表現するときにも使います。お菓子や食べ物とは直接関係なくとも、ほろ苦い思い出、甘酸っぱい思い出など懐かしく感じるのではないでしょうか。
最近ではお菓子の意味づけも多様化し、フードリテラシーや食育における菓子育の面からも考えられるようになってきています。また、お菓子というと子ども向けと考えられがちですが、大人自身もお酒の入った洋菓子や雅な雰囲気の和菓子と言ったように十分に楽しんでいます。それぞれの世代で、あるいはそれぞれの人々でお菓子の経験や意味づけ、おいしさの表現も違ってきます。お菓子自体の懐かしい思い出が蘇ってくることも少なくありません。
今回はお菓子のおいしさについて取り上げました。心で感じているもの、内面に感じているものをどのように把握して表現するのか、これは心理学でよく議論されるテーマの1つです。

