私は、学校飼育動物の歴史や教科間連携、教科におけるキャリア教育などについて研究をしていますが、それらとあわせて、ほぼ毎年、外部団体から助成金を頂き、様々な実験・教材の開発研究を行い、開発した実験・教材を用いた理科実験教室の開催を行っています。
今回は、ゼミで行っている6月16日(日)に行う理科実験教室の準備の様子を書きたいと思います(なお、実験教室の応募に関しては大学ホームページ内のご案内をご参照ください)。
理科実験教室を開催するには、まずは新しい理科実験を開発したり、既存の実験を工夫して、よりわかりやすい方法で・より安全に・より成功率を上げ、より安くできるようにしたりする、又は新しい教材の開発・工夫等、どこにオリジナリティがあるのかを検討します。オリジナリティとは、独自性のことで、知の創造の大切な要素です。高校までとは異なり、大学での研究ではとても大切にされるものです。ゼミ生達と考える実験教材の研究には、ほんの些細なオリジナル部分しか含まれないことも多いのですが、何とか今までちょっとは何かしらオリジナリティを含めた実験や教材を用い実験教室を行ってきました。
6月の理科実験教室では、熱と温度に注目し、本ゼミで開発した安全対策の実験を行ってから、他の通常ならやけどの可能性のある実験を行うこととしています。具体的には、はじめに、ろうそくと空き缶を用い、熱の伝わり方や熱い場所を感熱紙や温度計を用い、熱い部分を色変化やセンサーを用い確認する実験を行います。その実験で「どうするとやけどをしないのか」を確認した後に、ロウソクの火のうえに紙をかざすあぶりだしの実験やロウを鍋に入れガスバーナーで溶かし、それを再度アンモナイトの型に入れ固める状態変化の実験を行います。主なやけどの可能性としては、前者のあぶりだしでは、マッチの着火でやけどをする、ろうそくの火の真上で作業しやけどをする、後者のアンモナイト型ロウソクの実験では、ロウソクを液体にする作業でガスバーナーを用いガスバーナーの上部に手を出しやけどをする、加熱した鍋の金属部分を触ってやけどをする、ロウソクは液体のうちは熱く、そして固体であってもまだ熱い可能性がありそれらを触りやけどをする、使用後のまだ冷えていないガスバーナーを触りやけどをするなどが想定できます。
現在は、安全対策の実験をもっと子ども達が興味を持って取り組み、炎の上部によるやけどと目には見えないが固体や液体の温度が高いものを触ってしまうやけどがあることに気が付けるようにする工夫やアンモナイト型ロウソクの大きさの検討(その後、参加者分の石膏でのアンモナイトの型作り)やあぶりだしの文字や絵を描く範囲・大きさの検討などを行っています。
ギリギリまで教材研究をし、ここでしかできない実験や教材を用い、やけどなく安全にそして面白くそして科学に興味をもてるように仕上げていこうと思います。
毎回、オリジナルな要素を入れるのにはとても苦労していますが、そこが実験・教材開発の醍醐味でもあります。
地域の子ども達が科学に興味をもつきっかけを少しでも多くそして無料で提供できればと思って日々取り組んでいます。