私の研究室では、毎年、足立区周辺の地域の小学生から高校生の方向けに理科実験教室をやっています。
もう、10年以上続けている事業です。過去には、カルメ焼きづくり、葉脈標本づくり、化石の発掘、炭電池づくり、風力や水力を用いた発電実験などいろいろやってきています。珍しいところでは、サバからアニサキスという寄生虫を見つけ、それをプラスチック標本にするということもやったことがあります。
コロナ感染がまだ収まらない中ではありますが、今年度も感染対策をしながら、参加者の人数は減らしながら、実施回数を増やし、午前と午後の二回実施しました。参加者はなぜか今回はみんな小学校2年生とその保護者の方でした!
BTB溶液を用いたバスボム材料の色変化の実験、マカロン型バスボムづくり、ティッシュを用いた線香花火づくりを今回は行いました。特に苦労したのは、バスボムの教材開発です。6月くらいから教材研究をして、割れないように、だけど自然に膨らんでしまわないようにすることが課題でした。鈴木(哲)ゼミの3年生全員が知恵を絞り、二つの紙コップを使って押し固める方法を考案し、今回のマカロン型バスボムに落ち着きました。
ところが、11月下旬になり、実験教室も近くなったので、再度バスボムを作ってみたところ、バスボムが固まらない、割れてしまうという現象が多発しました。どうやら、湿気が関係していたようで、6月と暖房をつけて乾燥している11月下旬では、バスボムに含ませるべき水分量がほんの少しだけ変わるようで、理科実験当日まで、調整をしていました。こんなこと、どこの本にも書いていませんよね!でも、こういうことを考えながらやる実験はドキドキしながらも楽しいものです。
鈴木(哲)ゼミの学生達が分担して実験教室の進行をしたのですが、教壇で、堂々と、明るく楽しく説明をしている姿は、さすが未来大生という感じでみんな立派でした。机ごとに親子に付いた学生たちのサポートも完璧で、実験教室が終わるころには、親子と仲良くなっていて、とても頼もしかったです。
理科実験教室の開催は準備もとても大変ですし、また外部資金もどこからか援助をいただかないと、なかなか無料ではできません。でも、こんな些細なことがきっかけとなって、理科好きな子ども達が増えてくれればいいな、理系に進んでくれる人が増えればいいな、と願って、行っています。
実験教室を通して、地域貢献と学生の成長・活躍の場として、今後も続けていければと思っています。