
今年も暑いですね。春があまり感じられないまま夏になりそうですね。
もうすぐ春も終わりなので、最後(?)の春の話題をご提供します。
先日、筑波大学の近くにある国立科学博物館筑波実験植物園に行ってきました。そこでたくさんの「菜の花」を見つけ写真撮影をしてきました。通常、「菜の花」というとアブラナ科のアブラナのことを指しますが、今回はどうやら違うものもあるようですよ。クイズです。この中で、アブラナはどれでしょうか?

正解はFがアブラナでした。花が全部黄色で花だけでは区別できないですよね。
ちなみに、Aはハクサイ、Bはコマツナ、Cはカラシナ、Dはカブ、Eはタカナです。
おまけです。下の左がカイワレダイコンで右がハマダイコンです。

花の色は異なりますが、花の形は花びらが4枚で、やはりほぼ同じ形です。ハマダイコンは海浜植物でダイコンの原種と考えられているものです。カイワレダイコンは細いうちに食べてしまいますが、育てれば普通にダイコンの花も咲くのです。
今回登場した植物はすべてアブラナ科の植物なのです!よく食べる野菜がたくさん含まれていますね。他にはキャベツやブロッコリー、ミズナ、ワサビ、クレソンなどもアブラナ科です。ただ、キャベツやハクサイと似ているレタスですが、レタスはキク科で同じ仲間ではありません。ちなみにレタスはタンポポみたいな花を咲かせます。
残った茎や根を使って色々な野菜をさらに育てて花を咲かせてみるのも面白いですね。
私は理科教育を研究しているのですが、アブラナに関しては理科教育研究者の中では有名な出来事があります。
理科教育史を振り返ると、アブラナは理科教育の中では、重要な植物でした。
明治43年当時は理科は現在の小学校5年生から学ぶことになっていましたが、国定教科書尋常小学理科書の第五学年のトップバッターとして「油菜」として登場します。根・茎・葉の区別がわかりやすいだけでなく、十字架植物とも呼ばれており、花の構造も比較的わかりやすく、花びら4枚、がく4片からできている花です。ちなみにおしべは6本、めしべは1本です。
このように、子どもでも簡単に比較的観察しやすい植物なのです。その後もアブラナは戦前は理科を学ぶはじめの方で扱われる植物となって定着していきました。教師の側としても、つぼみ、花、実が同時に観察できる時期が春の間で比較的長く、教材として使用しやすかったのではないでしょうか。
ただ私たちはあまり理科で最初にアブラナで花を学んだ印象がないはずです。最初に理科(生活科を含んでもよいと思いますが)で学ぶ植物は何でしょうか?多くの人がアサガオを思い浮かべるのではないでしょうか。単純で分かりやすい・教えやすいよりも、日本の文化的・伝統的な花である夏休みに花が満開になるアサガオの方が優先されていったのです。
アブラナに注目すると、理科の内容は日本の文化や伝統の影響も受けることがわかるのです。

