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あなたの「当たり前」はみんなの当たり前?

投稿日:2026年10月08日

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 突然ですが、みなさんは初めて行く場所へ向かうとき、どんな風に道を探しますか?
 ・「最初の角を右、次を左…」と言葉で順番に教えてもらうほうが分かりやすい
 ・地図全体を見て、現在地と目的地の位置関係をイメージするほうが分かりやすい

 実は、人によって、情報を処理する時の得意な方法には違いがあります。

<あなたはどちらに近いでしょうか?>
以下の質問で、自分はどちらに近いか考えてみてください。

1.新しいゲームやアプリを始めるとき
【A】チュートリアルや説明画面をステップ1から順番に読んで進めたい
【B】画面全体をいろいろ触ってみたり、使いながら全体の感覚をつかみたい

2.旅行の計画を立てるとき
【A】「〇時にここへ行って、次は〇時…」と時間順にスケジュールを考えたい
【B】地図やガイドブック、HPなどを見て、全体を把握したりイメージで決めたい

3.部屋の模様替えやレイアウトを考えるとき
【A】置き場所や幅を1つずつ測り、順序を決めて配置していきたい
【B】部屋全体のテーマや完成イメージを描いてから決めたい

<人によって違う得意な(多様な)学び方>
・Aのような場面は、「継次(けいじ)処理」という考え方をイメージしやすい例です。
  情報を一つずつ、時間の順番に従って理解することが得意です。言葉での説明や順番立てたステップが頭に入りやすい特徴があります。
  例えば漢字を学習する時に、書き順や書く方向を意識しながら、一画ずつ書いて覚える方法が向いています。

・Bのような場面は、「同時(どうじ)処理」という考え方をイメージしやすい例です。
  全体のイメージや関連性を一目見て捉えることが得意です。図やイラスト、全体像を先に把握すると理解しやすくなります。
  例えば漢字を学習する時に、「山」という字と山のイラストや写真を見比べて、形が似ていることをイメージしながら覚える方法が向いています。

※このような認知(情報を受け取り、考え、理解する働き)の特徴は、心理学や特別支援教育の分野で詳しく研究されています。実際には、学習や生活で困り感のあるお子さんに対しては、KABC-IIという心理検査などを使って、一人ひとりの得意な認知特性を丁寧に把握します。
※上記の例は、継次処理・同時処理という考え方を身近に感じてもらうための簡単な例です。実際の特性を判断するものではありません。

<おわりに>
 もちろん、どちらが良い・悪いということはありません!
 実は学校の教室にも、例えば「言葉で順番に説明された方が理解しやすいお子さん」と「図や映像で見せてもらった方が理解しやすいお子さん」が同じ空間にいます。
 「どうしてあの人は一回で理解できるんだろう?」「どうしてこのやり方だと分かりにくいのかな?」といった疑問も、心理学の視点を持つと、「得意な情報の受け取り方が違うだけ」と気付けるようになります(多様性の理解)。

 私たちはつい「自分と同じように考えることが普通」と思ってしまいます。しかし実際には、学び方や理解の仕方にもさまざまな個性があります。
 「どうして分からないの?」ではなく、「どんな方法なら分かりやすいのかな?」と考えてみる。心理学や特別支援教育は、そんな視点を私たちに教えてくれる学問でもあります。

<参考文献>
藤田和弘(2019)「継次処理」と「同時処理」 学び方の2つのタイプ: 認知処理スタイルを生かして得意な学び方を身につける. 図書文化社.

こども心理学部

荻野 昌秀
(OGINO Masahide)

プロフィール
専門:発達心理学、特別支援教育、行動療法
略歴:同志社大学文学部文化学科心理学専攻卒業。佛教大学大学院教育学研究科臨床心理学専攻修了。
足立区非常勤職員、常勤職員、埼玉東萌短期大学講師を経て現職。
足立区特別支援教育アドバイザー。
発達障害のあるお子さんやその保護者の支援、保育者・教員への研修やコンサルテーションに取り組んでいる。
公認心理師、臨床心理士。

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