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あなたは紙派? 電子書籍派?

投稿日:2023年11月09日

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 私は小説や漫画(推理小説やファンタジーが主です)を読むのが好きなのですが、最近は紙ではなく、デジタル(電子書籍)でも読むことができますね。皆さんは本をどちらで読みますか? 私は、仕事の本、趣味の本、小説、漫画それぞれ、どちらで読むべきかここのところ迷っています。
 ふつうの人が電子書籍を買えるようになったのは2010年頃だと言われていますが、電子出版の勢いはすさまじく、「電子書籍ビジネス調査報告書」によれば2013年度から9年で4倍以上に伸びています。特に漫画の売り上げが爆発的といえるほどに増えていて、個人的にも納得できます。
 というのは、私はもう自宅に置き場がないという理由で、家族と感動を共有したい作品以外の漫画は電子書籍で読んでいます。最近は、仕事の本や小説についても、持ち歩きの便利さから電子書籍を取り入れてみました。通勤時間にスマホやタブレットで読めるので。でも、数年経った今、迷いが出ています。漫画はすらすら読めるし楽しいのですが、小説は何かがちょっと物足りないし、仕事の本は存在を忘れてしまう……。電子書籍には、重要な個所にマーカーがつけられたり、英語の本だと日本語訳(単語の)を併記してくれたり、何より軽いという素晴らしさがあるものの、使いこなせていない自分がいます。
 紙とデジタルで、読みやすさや理解しやすさは違うのでしょうか? 最近では電子教科書の導入の話もあり、世論調査もたびたびおこなわれていて、デジタル画面(タブレット、PCなど)よりも紙を「読みやすい」理由として、質問すると、「見やすい」「目に優しい」という答えが挙げられる傾向にあります。専門的なことを言うと、これは紙の表面になる細かい凹凸のため光が乱反射することによるそうです。ただ、心理学では自己報告法と呼ばれますが、本人が思っていることだけが行動の原因ではないことがあります。無意識の心理プロセスがありえるので、実験がとても大切だと言われます。実際に、紙とデジタルについて比較した心理学研究がありまして、行動を測定した数々の心理学実験をまとめた柴田・大村(2018)によれば、細部の理解度には差がありませんし、情報を探すスピードはむしろデジタルの方が早いですが、読むスピードや概要の理解は紙の方が上なのだそうです。ページ行き来のしやすさ、紙の触感やページをめくるという動作がじっくり読むことにつながると解釈されています。確かに、「なぜかプリントアウトすると誤字が見つかる現象」は令和の時代になっても健在です。
 それぞれの特徴を考えて使い分けをしていけるといいですね。

参考文献:柴田・大村 2018 「ペーパーレス時代の紙の価値を知る」産業能率大学出版部

こども心理学部

大橋 恵

大橋 恵
(OHASHI Megumi)

プロフィール
専門:社会心理学、文化心理学
略歴:東京大学文学部社会心理学科卒業
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了
放送大学、東京学芸大学、跡見学園女子大学、東京女子大学等にて非常勤講師
早稲田大学創造理工学部にて非常勤講師

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