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インクルーシブひろば

投稿日:2024年02月16日

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みなさん、インクルーシブという言葉をご存知でしょうか?

インクルーシブとは、「すべてを包み込む」という意味です。障がいのある子どもたちが、健常な子どもたちと同じような生活を送るためには、たくさんの困難があります。だからこそ、多くのサポートが必要です。そのサポートは、決して特別扱いではなく、ほかの子どもたちにとっては当たり前の生活を、同じように過ごすために必要な配慮をすることが大切です。この配慮のことを、「合理的配慮」と呼んでいます。

去る2月3日(土)、東京未来大学において、「インクルーシブひろば」というイベントが開催されました。「コンサート」「工作」「ハーバリウム製作」「足漕ぎ車椅子の試乗体験」「ジェスチャインターフェイスの体験」、就労継続支援B型施設「綾瀬ひまわり園」のパン販売など、私のゼミ生たちが企画し、1、2年生の学生60名がスタッフとして参加しました。

今回は、足立区内の二つの放課後等デイサービス・児童発達支援施設の協力があり、施設に通うお子さんたちがたくさん遊びにきてくれました。車椅子を利用されている方は、わざわざ介護タクシーに乗ってきてくれたそうです。

コンサートでは、お子様たちの歌声や演奏を披露していただきました。そして、児童発達支援施設の職員や大学教員によるピアノやフルートの演奏、そして最後は未来大の学生たちと一緒に「からだ⭐︎ダンダン」と「パプリカ」を踊りました。一時間のコンサートはあっという間でした。障がいの有無は関係なく、みんなが一つの音楽でつながっていて、とても素敵な空間でした。

その他、足漕ぎ車椅子のブースでは、肢体不自由のお子さんが自分の足でしっかりペダルを漕いでいました! サポートに関わった学生たちも、「〇〇ちゃん、すごい!頑張って!」と励まし、保護者の方も、普段手足を動かすことのないお子さんが、自分の足でペダルを漕ぐ姿に目をウルウルとされ、「我が子にこんな能力がまだ隠されていたのですね。」と、大変喜んでくださいました。

ちなみに、この足漕ぎ車椅子は、東北大学で開発された新しい仕組みの車椅子です。わずかな力をかけるだけでペダルが回り、その動きが「原始的歩行中枢」を刺激すると、もう一方の足が反射的に動く、という仕組みになっています。

他にも、産業技術総合研究所と国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所から研究者がいらしてくださり、「ジェスチャインターフェイス」を肢体不自由児の方に体験していただきました。

今は科学技術が着実に進歩しています。障がい者の困難をテクノロジーの力を使って解決できる世の中になっているのです。

妊娠、出産、産後と子育ては大変ですが、喜びもあります。私自身も23年前に第一子を出産した時の感動は今でも忘れません。障がいや病気の有無に関係なく、どんな子どもが生まれても、安心して子育てができる環境があれば、どんなに素敵なことでしょう。

障がいのある人にやさしい世の中は、一般の人たちにもやさしい世の中です。そんな社会を学生たちとつくっていきたいと思います。

こども心理学部

小谷 博子

小谷 博子
(KOTANI Hiroko)

プロフィール
専門:育児工学
略歴:2000年 日本学術振興会・特別研究員(DC2) 研究先:東京大学
2001年 東京大学大学院医学系研究科 博士課程 修了
2001年 日本学術振興会・特別研究員(PD)  研究先:東京大学
2002年 東京電機大学先端工学研究所・助手
2003年 日本学術振興会・特別研究員(PD)  研究先:東京電機大学
2007年 東京電機大学先端工学研究所研究員
2008年 日本学術振興会・特別研究員(RPD) 研究先:東京電機大学
2012年 東京未来大学こども心理学部・准教授

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