
近年、学校の応援団…というと、大学生の応援団をイメージすることが多くなってきているような気がします。これは、おそらく大学野球のリーグ戦などで各大学の応援を盛り上げている応援団の活動や存在がメディア等でクローズアップされる場面がよく目にされるせいだと思われます。
一方で、高等学校生徒の応援団は、一部の名門といわれる伝統校を別として、一般の人が目にする機会はほとんどないと思われますし、実際、かつては存在していた応援団が、その団員不足等により活動を停止してしまった高等学校が多数発生してきたようです。
背景として、バンカラ的な応援団への入団希望の減少や野球部の衰退による応援機会の減少、高等学校の統廃合による学校行事の変化などが挙げられます。しかし、最も大きな要因としては、全校生徒が一丸となって応援するために、当該学校生徒としての集合的なアイデンティティを効果的に高めようとする諸活動(校歌・応援歌の練習など)が、ハラスメントなどと受け取られ、困難になってきた状況があると思われます。
よって、現状で活動する高等学校生徒の応援団には、生徒間の集合的なアイデンティティ形成が容易と考えられるようなブランドを有する伝統校において活動が維持されているケース、女子生徒の団員によってのみ活動が維持されているケース、などがみられます。その他、近年では応援団OB等の高等学校の先生が主導して、衰退した応援団の活動を復興させるというケースがみられます。この最後のケースの場合、元々はバンカラや生徒自治のなかから発展してきた高等学校生徒の応援団のあり方が、学校教員主体の教育課程のなかに組み込まれた活動として再生されるという側面をもっています。
よって、応援団の活動方針や具体的な内容に関しては、社会的基準やルールの順守といった無難な安定性が与えられる一方で、学校文化において自立性を育むユースカルチャーとしての機能的な側面が失われていくことが懸念されます。変化・多様化が進む社会においては、高等学校の応援団のあり方もそのような変化・多様化を免れないということでしょうか。

