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未来を変えるキーワード:「ESG投資」と「DEI経営」

投稿日:2025年05月29日

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 皆さんは「色んな人が活躍できる社会っていいな」、または「地球のために何かしてみたい」と思ったことはありませんか。実は、そうした想いを大切にしている企業や、そんな企業を応援する仕組みが世界中に広がっています。それが「ESG投資」と「DEI経営」と呼ばれる動きです。
 では「ESG投資」とは何を意味しているでしょうか。まず「ESG」は「Environment(環境)」と「Social(社会)」と「Governance(ガバナンス=企業統治)」の頭文字をとった言葉です。簡単に言うと「ESG投資」は、環境や社会に良い働きかけをして、しっかりとしたルールで運営されている企業に投資をしようという考え方です。例えば、二酸化炭素の排出を減らす努力をしている会社やリサイクルに力を入れている会社は、ESGの観点からみると評価が高くなります。逆に、環境に配慮が足りなかったり、働く人を不当に扱っていたりする企業は、投資家から「信用できない」と判断され、資金を集めることが難しくなる仕組みになっています。
 一方で「DEI経営」とは、「多様な人が、自分らしく働けるようにする経営」のことを指しています。「DEI」という言葉は、「Diversity(多様性)」と「Equity(公平性)」と「Inclusion(包摂性)」の3つの言葉の頭文字をとったものです。これらの言葉が意味するように、性別・年齢・国籍・障がいの有無・性的指向などに関係なく、誰もが活躍できる職場づくりを進める企業が増えています。例えば、女性のリーダーを増やしたり、LGBTQ+の人が安心して働ける環境を整えたりする取り組みもその一例です。また「DEI」を大切にする企業は、多様な視点や価値観があることで、より良いアイデアや商品が生まれやすいと考えられています。実際に、国際的に評価されている企業の多くが「DEI」の考え方を経営戦略に取り入れています。
 実は、「ESG投資」と「DEI経営」の考え方はとても深くつながっています。「ESG」の「S=社会」の部分には「DEI」の要素が含まれており、社会にとって価値のある企業は、環境にやさしいだけでなく、すべての人を大切にする企業でもあることが求められています。「ESG投資」は、そうした企業に投資を行い、資金を得ることが出来た企業は、さらに成長をしていくサイクルを形成しています。
 「ESG投資」や「DEI経営」は、すぐに何か行動をしなければならない難しいテーマではなく、これからの社会や働き方、そして自分の未来を考えるうえで、良い参考になる考え方です。例えば、皆さんが将来働く会社を選ぶ時に「この会社はESGやDEIに取り組んでいるのか?」あるいは、ニュースで企業の話題が出てきたときに「これは社会に良い影響を与えているのか?」といった視点で考えてみてください。そんなちょっとした視点が、未来の選択に役立つと思います。
 「ESG投資」も「DEI経営」も、どちらも「より良い社会をつくる」ことを目指した取り組みです。最近、トランプ大統領はこの二つの考えに否定的な見解を示す発言をしていますが、逆風が吹いている時こそ冷静な判断が大切です。これからの企業は「儲ける」だけでなく、「誰かの役に立つ」企業であることが求められています。私たち一人ひとりが、その取り組みの意味を知り、自分なりの意見を持ち行動することが、より良い未来につながっていくのではないでしょうか。

モチベーション行動科学部

郭 潔蓉

郭 潔蓉
(KAKU Iyo)

プロフィール
専門:東・東南アジア政治経済、多文化社会、ダイバーシティ・マネジメント
略歴:ボストン大学大学院(国際関係学専攻)修士課程 修了
筑波大学大学院(社会科学研究科)修士課程・博士課程 修了
ビジネス・ブレイクスルー大学、大東文化大学を経て現職。

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