モチベーション行動科学部
モチベーション行動科学科

モチベーション行動科学部への招待

第9回 目標とモチベーション(3)

(3)目標を受け入れることが大切

目標のレベルを少しずつ高くしていくと、当然のことながら次第に達成が難しくなります(図中A)。そして、人によってレベルはさまざまですが、どこかでそれ以上はいくら頑張っても成績は上がらないという、能力の限界点に達します。では、それ以上に目標のレベルが高くなった場合、成績はどうなるでしょうか。

このときに大切なことは、その人がその目標を受け入れて頑張っているかどうかということです。目標が受け入れられている場合、つまり、本人が納得して努力している場合には、成績はそれ以上伸びることはなくとも、その最高点のレベルを維持していくことが可能です(図中B)。
しかし、いったん目標の受け入れが拒否されてしまうと、今度は目標のレベルが上がるほど、成績は急速に低下してしまいます。「ギリギリのところでこんなに頑張っているのに、また目標のレベルが引き上げられてしまった。冗談じゃない、これ以上はもうやめた!」ということになり、目標達成へのモチベーションが急速に下がってしまうのです(図中C)。
つまり、本人が受け入れている限りにおいては、能力の限界に達しそうな高い目標であっても、モチベーションを維持できる効果があります。

よく、「人から与えられる目標よりも、自分で立てた目標の方が力が入る」ということがありますが、これは、自分で立てた目標の方が、与えられた目標よりも、納得し受け入れやすいからです。
これを別の視点から見れば、その目標を納得し受け入れることができれば、与えられた目標であっても、自分で立てた目標であっても、モチベーションを高め維持する効果には差がない、ということにもなります。

その目標が自分にとってどのような意味をもつのか、その目標を達成することで自分にどのような可能性がひらけるのかを考えてみましょう。そうすることで、目標への関わり方も変わり、目標を真に自分が達成すべきものとして受け入れる気持ちが強まってくることでしょう。

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